シーズン終盤からDeNAの4番でチームをけん引した筒香が、超短期決戦のCSファーストステージでも勝利に導く活躍をした。2本塁打を含む4打数4安打3打点。先発したケイの好投も貢献度は高いが、チームの得点が6点だった中での3打点は“MVP級”の活躍と言っていいだろう。
最初の先制ソロは2ボールのバッティングカウントから甘く浮いたスライダーをライトスタンドに運んだ。チームにとっては大きい先取点で、失投を仕留めた筒香のバッティングは見事。だが、どちらかといえば打った方を褒めるというより、失投した巨人バッテリーのミスといえる側面の方が大きいと思っていた。しかし、2打席目の3点目になるタイムリーは違った。
3回2死一、三塁、カウント2-1から内角に食い込んでくるカットボールを見逃してボール。その後、外角への真っすぐをファウルした直後だった。内角高めの真っすぐに対し、体の軸を回転させ、腕をたたんで右翼線にはじき返した。内角球への対応力の高さが、好調な打撃の源になっている。
内角の見極めに余裕があるから、外角への対応力も精度を増している。3打席目のソロは外角高めの真っすぐを左翼ポール直撃のホームランとしているが、かかと体重で打っていたら間違いなくファウルになっていた打球だった。
数字を見ても明らかだが、7月6日までの42試合で6本だったホームランが、8月7日に1軍復帰してから33試合で14本塁打。本人は好調の理由としてかかと体重になっていた打撃フォームを矯正したと言っているが、簡単に技術修正できる部分ではない。特に打った後に一塁に走る右投げ左打ちの打者はかかと体重になりやすく、直りにくい。1カ月間、1軍を離れた期間にじっくりと修正できたことが大きいが、33歳という年齢的な部分から見ても、よく修正したと感心すると同時に頭の下がる思いがする。
DeNAは筒香の活躍で初戦に勝利した。そこで少し心配になるのが、筒香の後の5番を打つ牧の状態だろう。無安打だった3打席目までは、明らかに実戦から離れていたと感じる内容だった。4打席目に鋭い当たりのライト前ヒットを放ち、この1本で調子を取り戻してくれればいいが、2戦目以降の牧の状態がポストシーズンを勝ち抜くための大きなカギを握ると思う。(日刊スポーツ評論家)




