またしても1点差負けを喫した阪神だが、この一戦のポイントは6回表にあった。2点ビハインドで3番手で投入した桐敷が3点目を許した場面が勝負の“アヤ”だった。

この回は1死から7番牧原大が投安で出塁し、海野の犠打で2死二塁になった。ここでソフトバンクは、5回まで危なげない投球で無失点に抑えていた先発大津に代打近藤を送った。

しかも、5回を3安打に抑えた大津の球数は59球と少なかった。それに6回から4イニングを残した継投を考えれば、個人的に好投の大津を代えるのは考えにくい采配だった。

ソフトバンクはそこまでして「3点目」にこだわったわけだ。代打近藤は桐敷の1ボールからのインローのシュート系のボールを、一、二塁間を抜く適時打を放ったのは、さすがの技術だった。

結果的に勝負手になったといえるのかもしれないが、それを好采配にしたのは、近藤の集中力から生まれた一打だった。8回に1点差になったから、その3点目が勝負を分けたことになる。

阪神は大津の打ちづらいチェンジアップとキレのあるカットボールに苦しんだ。制球力は高くないが、多彩な変化球を投げるタイプで、同じ球種を続けてこなかったから絞りにくかったはずだ。

阪神は王手をかけられたが、両チームに力の差があるわけではない。8回に1点差に追いついたのは、近本、中野がそろって出塁したからだった。1、2番が絶好機を作ることで勝機を見いだしたい。

(日刊スポーツ評論家)

阪神対ソフトバンク 6回表を終え、浮かない表情でベンチへ戻る阪神桐敷(撮影・鈴木みどり)
阪神対ソフトバンク 6回表を終え、浮かない表情でベンチへ戻る阪神桐敷(撮影・鈴木みどり)