4回目になる現役ドラフトだが、今開催で真っ先に目についた選手を挙げるとすると、ソフトバンクから楽天に移籍する佐藤直だろう。
2019年のドラフト1位であり、6年目を終えた今シーズンも104試合に出場している。選手層の厚い日本一チームからの移籍で、獲得した楽天は同じ外野手の辰己がFA権を行使し、残留の見込みは少ないと思う。一番メリットがあった球団は楽天だったと思う。
全体的な印象として目についたのは、例年より外野手の移籍が多かったこと。昨年は13人が移籍したが外野手は1人もいなかった。各球団の共通事項だと思うが、外野手は補強ポイントとして重要性が低くなりがちで、リストに載せても獲得に強い意欲を見せる球団が少ないからだと思っていた。
今季は6人の外野手が移籍。候補リストに載せた外野手が移籍し、かつ外野手を獲得した球団が3球団(阪神、オリックス、西武)ある。言葉は悪くなってしまうが、ここにリストアップされる選手は所属チームが「移籍しても構わない」と思っている選手。そういう意味で推測すると、例年需要の高い内野手を候補リストに載せた楽天が、一番いい外野手だと思う選手を獲得できたのだろう。
同じ外野手同士の移籍でも、環境を変えるというメリットはある。しかし、編成上の補強メリットは小さい。同じように投手同士の移籍が成立したのは巨人と日本ハム。ここでも「いってこい」という側面を強く感じてしまう。この傾向は年々強くなると感じてしまった。
実際、選手の知名度や実績面からすると、年々派手さは薄らいでいる。現役ドラフトは選手にとっていい制度だとは思うが、不遇な選手の救済や本当の意味で移籍を活性化させるという点で考えると、補償金の軽減や人的補償の廃止、権利取得までの年数短縮など、FA権の条件緩和を優先させるべきだと思う。そういう意味では、球界全体の制度を考える時期にきていると思う。(日刊スポーツ評論家)




