<ソフトバンク3-2楽天>◇3日◇ヤフオクドーム

ソフトバンクが本拠地・ヤフオクドームに戻って勢いを取り戻した。今宮の先制弾に内川の12号2ラン。先発高橋礼が終盤に2発を浴びたとはいえ、きっちり逃げ切った。V奪回へ向けてマジック点灯だ、何だと周囲は騒がしくなるが、残り20試合。すべて必勝のトーナメント戦の気概で戦えばいい。

4回裏、内川は左越え2点本塁打を放つ(撮影・栗木一考)
4回裏、内川は左越え2点本塁打を放つ(撮影・栗木一考)

それにしても4回に飛び出した内川の1発は見事だった。初球ファウル、2球目は空振り。あっさり2球で追い込まれた後、2つのボールとファウルで粘り6球目の内角球を左翼席へたたき込んだ。文字通り「技あり」の1発だった。「追い込まれた後、潜むというか、力まず球を待ちました。自分でもうまく打てたと思います」。試合後、ヒーローインタビューを終えた内川は笑顔で言った。

一流は一流を知るという。京都から所沢へ移動した8月29日。都内で元フットサル日本代表でもあり、Fリーグ7連覇達成の実績を持つ北原亘氏と出会った。競技は違うが、北原氏の言葉に「ハッ」とさせられた。ボールキックとキックボクシングの足の出し方の違い。力みなく最大限のパワーを発揮する「静」から「動」の動き。前回の西武戦から打席の中で、意識しながらボールを待った。

ソフトバンク対楽天 内川(左)と高橋礼はガッツポーズ(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対楽天 内川(左)と高橋礼はガッツポーズ(撮影・梅根麻紀)

「どうしても力が入るんです。でも、今日はうまくできたんじゃないですかね。(6回の遊ゴロも)アウトになったけどいい感じで打てました」。

昨年まで務めたキャプテンは外れたが、意識は昨年以上の気持ちでペナントを駆け抜けている。柳田、中村晃、デスパイネが復帰して打線は開幕以上の顔ぶれとなった。ラストスパートの9月戦線。やはりベテランの力は頼りになる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】