<日本ハム2-5ソフトバンク>◇14日◇札幌ドーム

ソフトバンクが北の大地で「先手」を取った。ここまで6カード連続して勝ち越しなし。カード初戦に勝ったのは4月23日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来だが、その3連戦の負け越しから貯金を作れなくなっていた。「先手必勝」は絶対的に有利。足踏みした流れを何とか変えたいところだ。

6回裏を無失点に抑えグータッチを交わしながらベンチに戻るソフトバンク石川(撮影・佐藤翔太)
6回裏を無失点に抑えグータッチを交わしながらベンチに戻るソフトバンク石川(撮影・佐藤翔太)

先発石川が開幕以来の白星を手にしたことも、今後の戦いの「追い風」になるだろう。それにしても北海道も16日から「緊急事態宣言」が発出される。ホークスに限ったことではないが、グラウンド内外で厳しい戦いは続く。新型コロナウイルスのさらなる拡大。遠征先でチームは「外出禁止」を余儀なくされている。春季キャンプを含めれば、もう長いこと「自粛生活」が続いている。我慢の日々もまだ当分の間は強いられそうだ。

6回表ソフトバンク1死一、二塁、柳田は適時二塁打を放つ(撮影・佐藤翔太
6回表ソフトバンク1死一、二塁、柳田は適時二塁打を放つ(撮影・佐藤翔太

グラシアル、デスパイネが不在となった打線で「主砲」の存在がさらにクローズアップされる。4番柳田だ。この日も6回に中押しのタイムリー二塁打を放った。小久保ヘッドは「しっかり4番を張れ!」と柳田本人にもゲキを飛ばすほど。だからこそ、首脳陣も腐心の起用が続く。柳田は5月に入って「定位置」である中堅で先発出場したのは4日の楽天戦(ペイペイドーム)の1度だけ。体力温存と適性の見極めという2つの理由で右翼、左翼を守り、DHで出場している。キャンプから抱えていた両アキレス腱(けん)痛の再発は、チームにとっても「致命的」なのだ。7回裏、日本ハム五十幡の右翼線への打球(三塁打)を追った柳田は、その後、何度も屈伸を繰り返していた。

投手陣では千賀の離脱に続き、森の復帰もまだ時間がかかりそう。「投打の飛車角」離脱は絶対に避けなければならない。快勝の中で、ふとそんな思いがよぎった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】