<日本生命セ・パ交流戦:DeNA1-1ソフトバンク>◇2日◇横浜

セ界の最下位に低迷しているDeNAに2戦で白星なし。絶対的な強さを見せつけてきた交流戦でソフトバンクの足踏みが続いている。今季は9回打ち切りということもあって引き分け試合がすでに9試合目となった。2ケタのシーズン引き分けは9年前の12年(12分け)にあるが、56試合を消化してこのペースだと、南海時代の74年に記録した球団最多のシーズン16引き分けを上回りそうな勢いだ。

勝ちもせず、負けもしない。何とももどかしいゲームセットではあるが、カクテル光線を受け、最終9回に思い切り腕を振った岩崎の投球はチームに安心感をもたらしたのではないだろうか。ソトを157キロの直球で投ゴロ。初戦4安打の新人牧を1球で三ゴロ。最後は大和をカウント1-2と追い込みフォークで空振り三振に切った。5月23日のオリックス戦(ペイペイドーム)から4戦連続で最終9回のマウンドに立っているが、まだセーブシチュエーションの場面はない。同27日の中日戦(バンテリンドーム)で同点の場面で登板し3人で仕留め引き分けに持ち込んだ。DeNA戦が2度目の「1点もやれない」登板だった。3人をジャスト10球で料理。「抑え」としての経験値を積み上げている。

守護神森の故障、モイネロの不在…。「勝利の新方程式」確立に向け工藤監督ら首脳陣は躍起だが、「9回岩崎」がしっかり答えを出している状況だけに、ブルペン陣でしっかりバトンをつなぐしかない。初戦で松本は打たれたものの、中継ぎ陣は12球団でもトップ級。ベンチの手腕が試される。【ソフトバンク担当 佐竹英治】