<パ・CSファーストステージ:ソフトバンク8-2西武>◇第2戦◇9日◇ペイペイドーム

ホークスの「強さ」が戻った。チームの完全復調と言っていいだろう。西武とのCSファーストステージを2連勝。一気にファイナル進出を決めた。シーズン覇権はまさかの連敗で取り逃がしたが、逆襲の短期決戦。連勝街道を突き進むチームの「経験値」は高かった。「やっぱり4番が打つと大きいね」。王球団会長も笑顔で球場を後にした。

2戦連続で主砲柳田がアーチをかけ主導権を握った。初戦は2点差に詰め寄られる接戦だったが、先手を取れば戦いにも余裕があった。いや、リードを保っても最後まで手を緩めない攻撃性を貫いた。V逸の悔しさから、チーム蘇生の共通ワードは「一丸」だった。一戦必勝のサドンデスになれば、プロと言えども回帰するのは高校球児のような、ひたむきさなのだろう。

4点差で迎えた終盤の攻撃はオリックスとのファイナルステージも期待を持たせた。7回先頭の柳町が左中間二塁打で出塁。甲斐がこの日2つ目の送りバントを決めて1死三塁とすると、1番三森が中前にはじき返した。「追い込まれてしまいましたが、何とかコンタクトすることだけを考えました。終盤に大きい追加点となる1本になって良かったです」。三森は笑顔で好打を振り返った。初戦の先制打を含め、きっちり仕事を果たした。さらに牧原大の三塁打で2点目を追加。8回にも1死から途中出場の川瀬の投手強襲内野安打を足がかりに、9番甲斐の適時打でダメ押しの1点を挙げた。川瀬は8回の守備でも森の打球を好捕。控え選手たちも攻守に集中力を保ってプレーするところに頼もしさを感じた。

勝利インタビューでお立ち台に立った藤本監督も自信に満ちた表情でスタンドのファンに言った。「オリックス戦も、いい打線をしっかり見せられるように頑張りたい」。もう傷心は癒えたはず。勢いに乗ってオリックスの待つ大阪に乗り込む。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対西武 5回表西武無死、東浜は愛斗の遊飛を指さす(撮影・上山淳一)
ソフトバンク対西武 5回表西武無死、東浜は愛斗の遊飛を指さす(撮影・上山淳一)