<イースタン・リーグ:ヤクルト-ロッテ>◇18日◇戸田

右肘痛で長期離脱していたヤクルト奥川恭伸投手(22)が、実戦復帰した。昨年3月29日の巨人戦(神宮)以来385日ぶりとなる実戦マウンドで、1回無安打無失点。ロッテ勝又琉偉内野手(18)からは130キロのスライダーで空振り三振を奪った。最速は148キロだった。

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各球団の編成担当と見ていたので、トラックマンのデータが分かったが、奥川の最速は151キロ。先頭打者・勝又への初球真っすぐだった。アウトコースにきっちり制球されていた。

非常に驚いた。奥川の385日ぶりのピッチングは、手探りのものと予想していた。編成担当からも、球速は130キロ台では、との話だった。それが、いきなりの快速球に、軽く度肝を抜かれた。

私が見た範囲では真っすぐと、スライダー、ツーシームの3球種に見えた。打者3人目、西川への初球、2球目はいずれも右打者の内角から曲げるインスラを狙ったものが、甘めとなり、どちらも見逃しストライクだった。

肘痛から復帰を目指す場合、変化球はより慎重になる。初球151キロで強度を上げても違和感がなかったことで、3人目にインスラを試したのではないか。本来は、打者が反応するくらい体寄りから曲げるイメージ。結果として甘いボールになったのは、まだそこまで操れていないとの印象も、試合の中で試せただけでも1歩前進だろう。

和田と西川の結果球はどちらも145キロのツーシーム。右打者西川は詰まって投ゴロ、左打者和田はバット先で投ゴロ。ボールにキレはある。真っすぐの力強さ、スライダーを試せたこと、そしてツーシームのキレ。総合的に見ると、打者相手に順調な回復を踏んだと言える。

明日以降の肘の状態を確かめ、体のどこかに負担がかかっていないかなど、しっかりチェックした上で、登板間隔を空けながら球数を増やし、負荷をかけていくことになる。まずは、笑顔が戻り、本人もホッとしたことだろう。(日刊スポーツ評論家)