中日対阪神 8回裏中日2死一塁、アルモンテに勝ち越しの適時二塁打を浴び、マウンドに集まるジョンソン(中央)ら阪神ナイン(撮影・前田充)
中日対阪神 8回裏中日2死一塁、アルモンテに勝ち越しの適時二塁打を浴び、マウンドに集まるジョンソン(中央)ら阪神ナイン(撮影・前田充)

甲子園で行われた球宴第2戦(13日)のお祭り騒ぎを期待した後半戦スタートだったが、やはり打てない。苦手・大野雄の前に5安打2得点。5番打者以降は3度しか打席が回らないあっさりした負けっぷりだ。ジョンソンが直接の敗因だが、打線がこれでは、それはなかなか勝てない。

そして16日はあの男の登場だ。松坂大輔。昨季、移籍してから一気に中日の顔になっている。今年はキャンプからなんだかんだとグラウンド以外で話題になることが多かったが、ようやく1軍マウンドへ復帰する。光栄な? その相手に選ばれたのは阪神だ。

偶然ではないかもしれない。昨季、阪神は松坂相手に3敗を喫している。松坂からすれば最大のカモだった。得点もなかなかできなかった。「走者も出していいところまで行くんですけど、あと1本が出なかった感じですね。やり返さないといけない」。打撃コーチの浜中治はそう話した。

相性の悪い投手が続く。しかもビッグネームだ。虎党以外は松坂の好投を期待している雰囲気もある。ナゴヤドームだけでなく、なんとなくアウェーのムード漂う試合になりそうだ。

そんな松坂との対戦を熱望している選手がいる。ルーキーの木浪聖也だ。「松坂と木浪」でピンと来る人は熱心な虎党だろう。昨年12月の入団会見だ。

その場で対戦したい投手を問われ、木浪は「中日の松坂大輔投手です」と答えた。続けて「実は同じ病院で生まれたと聞いて…。何かの縁を感じています」と秘話まで明かした。

青森県東津軽郡外ケ浜町生まれの木浪。松坂も同町生まれで、その後に神奈川へ移っている。その産声を上げた病院が同じだということは当時、話題になった。木浪が自ら口にしたことも面白かった。

「(松坂さんは)WBCとか日本を代表して投げていたときが一番印象強い。憧れの人だったので同じ舞台に立てるのは夢のような感じ。もし戦えたら思い切っていきたい」

そう言っていた木浪。この日、あらためて気持ちを聞くと真顔で「いよいよですね」と気合を入れた。右腕なのでスタメンの可能性は高い。あこがれの対戦、ついに実現するか。

交流戦明けの6月末にこのナゴヤドームで連敗を喫した。そして球宴明けのこの日も負けた。悪い流れを、若者の力で変えてほしいと思う。(敬称略)

中日対阪神 試合前、岩田(中央)からあいさつされる松坂(左)。右は藤川(撮影・加藤哉)
中日対阪神 試合前、岩田(中央)からあいさつされる松坂(左)。右は藤川(撮影・加藤哉)