高校野球特集第3回は、プロ野球関係者を家族に持つ球児たちを、主にリストアップする。

 今をときめく兄の背中を追う。習志野(千葉)の松井和輝外野手(3年)の兄は楽天の守護神・松井裕だ。「似ていないと言われる」と言うように、180センチの上背に長い手足、利き手もポジションも違う。「兄はエースで周りを引っ張っていく性格だが、僕は1歩引いて周りを支えていくタイプ」と対照的だ。

 それでも、甲子園という目標は同じ。名門習志野では1年秋からベンチ入りしたが、2年秋までレギュラーをつかめなかった。苦しい時は「努力すれば必ず結果は出るぞ」という兄の言葉に励まされた。1日5回の食事で、入学時より体重7キロ増。兄からもらった木製バットで1日1000スイングを欠かさず、今春県大会で背番号「7」を背負った。「兄の名に恥じぬよう、自分も甲子園に行きたい」と力を込めた。憧れの兄が躍動した甲子園への切符をバットでつかみ取る。