合併したが旧小高商に野球部がなく、旧小高工のメンバー20人に新入生12人を加えて活動している。石附は「校名は変わったけど、去年とやっていることは変わらない」と結束力を強調する。全部員が相双地区出身で東日本大震災を経験。相馬市出身の石附は飯豊小5年時に被災し、海辺の練習グラウンドに行く前に大きな揺れがあった。

 石附 早く練習に行っていたら今は生きてなかった。震災で野球をいつも通りにできるのが当たり前じゃないって思い知らされた。今、野球をやれている喜びを感じて試合をやりたい。

 春の県大会は1勝に終わり、校歌熱唱は1度きり。夏は順当に勝ち上がれば、準々決勝で夏10連覇中の聖光学院と激突する。相双地区からの優勝となると、94年の双葉以来23年ぶりとなる。石附は「去年は聖光に負けたので、今年こそ自分たちが勝ちたい」と意気込む。「野球をやれる喜び」を胸に、福島の夏を熱くする。【高橋洋平】

 ◆小高産業技術 2017年(平29)4月に旧小高工と旧小高商が合併して開校。校歌は当時の両校長を中心に組織された「校歌選定委員会」が柳に作詞を依頼。作曲は柳が長渕にお願いし快諾された。4月11日の開校式には長渕が来校し熱唱。旧小高工から甲子園出場はなし。生徒数は503人(女子140人)。所在地は福島県南相馬市小高区吉名字玉ノ木平78番地。鈴木稔校長。