横浜商(神奈川)の1年生右腕、篠崎悠人投手が1回戦敗退の危機を救った。2-5で迎えた7回表、篠崎がマウンドに上がった。「真っすぐで押していこうと思った」と変化球を見せ球に最速136キロを誇る直球で押した。この日初めての3者凡退に抑えると、重苦しかった空気が変わった。

 直後の7回裏に打者10人の攻撃で一挙5点。篠崎は9回まで3イニングを2安打無失点の好救援で、初戦突破に貢献した。榎屋剛監督(56)は「マウンドでもひょうひょうとしている。いつも通りにプレーしていたのは彼だけだったんじゃないか」と笑顔だった。

 4日に最後の登録選手変更でメンバー入りした。篠崎は「うれしさもあったが、責任感が強かった。ベンチに入れていない2、3年生の分までやらないとという責任感がある」と、先輩の思いを胸に秘める。桜井淳遊撃手(3年)から「後ろには3年がついてるから思いっ切り投げろ」と背中を押され「楽しんで投げられた」と笑顔だった。

 篠崎は「できるだけ上まで行きたい」と意気込んだ。怖いもの知らずのシンデレラボーイの初めての夏が開幕した。【赤津亮太】