タフネス右腕が19年ぶり甲子園へ導いた。滝川西(北北海道)エース鈴木愛斗(まなと、3年)が延長10回6安打2失点で4試合連続完投。7回までリードを許す展開も同点、勝ち越しの2本塁打の援護を受けた。「点を取られても取り返してくれた仲間に感謝したい」と笑顔だった。

 鈴木は北北海道大会4試合で、2度の延長戦を含む39イニング、494球を1人で投げ抜いた。1回戦の降雨ノーゲームも含めれば計44イニング。「体が重たかったけど、最後の試合だと思って投げた」。直球と変化球のコンビネーションで失点を抑えた。

 15年秋に就任のOB小野寺大樹監督(41)は「大会で一番成長したのは鈴木」とたたえた。滝川市内のグラウンドは田畑に隣接し、今年はキツネの出没が多発しグラブなど“盗難被害”もありながら、昨年準優勝の悔しさをバネに頂点に立った。

 ◆滝川西 1959年(昭34)創立の市立校。私立滝川商が前身で73年に現校名に。普通科のほか会計ビジネス科、情報ビジネス科があり生徒数は798人(女子444人)。野球部創部は73年で、部員数は54人。甲子園は春1度、夏2度出場。卒業生は岩谷美里(女子プロ野球)。所在地は滝川市西町6の3の1。阿部孝志校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦6-0岩見沢東

代表決定戦9-4栗山・夕張・月形・奈井江商

1回戦2-1旭川実

準々決勝6-1帯広大谷

準決勝3-1旭川大高

決勝3-2白樺学園