2年ぶり夏の甲子園を目指す天理が11-1の5回コールドで高円(たかまど)を下し、4年連続の4強入りを決めた。大相撲の元横綱・輪島大士氏(69)を父に持つ輪島大地投手(3年)が、2番手で今夏初登板。打者2人を投ゴロと三振に仕留める完璧デビューで快勝に花を添えた。勝ち気な元横綱のDNAを受け継ぐ右腕。次回は27日、昨年センバツ王者の智弁学園との決戦に挑む。

 元横綱のDNAを受け継ぐ右腕が、奈良で躍動した。背番号13、輪島大士氏の息子大地が、10点リードの5回から2番手で今夏初登板。先頭打者を投ゴロに抑えると、次打者を三振に仕留め、9球でマウンドを降りた。任された2/3回をピシャリの会心デビューだ。

 父は優勝14回を誇る名横綱。昭和の時代、左下手投げを決め技とする「黄金の左」で一時代を築いた。その現役時代を動画で見たという大地は、「父のスポーツの勝負強さや、強気な部分を尊敬しています」とキリリ。イタズラ小僧だった少年時代は「よく怒られて投げ飛ばされた」という。黄金の左で? 「何投げだったかは覚えていません」と笑ったが、勝ち気な横綱イズムは受け継いでいる。