中央学院(千葉2位)が、夏の甲子園王者・花咲徳栄(埼玉1位)を6-3で破り、初のセンバツ当確へあと1勝とした。エースで4番の大谷拓海投手(2年)が、埼玉県大会5試合47得点の打線を3失点に抑え完投、今日25日の準々決勝に進んだ。

 中央学院・大谷が粘る花咲徳栄を振り切った。3点リードの9回無死一、二塁、打席に甲子園優勝メンバーの4番野村佑希外野手(2年)を迎えた。ここまで2打数1安打、2四球のうち1度は敬遠していた。「ホームランでもいいな」と、同点を怖がらず勝負し左飛に打ち取った。その後の1死満塁も2者を抑えガッツポーズ。「うれしいです」と喜びをかみしめた。

 3回までに3失点と苦しんだ。「際どいところを振ってもらえず、置きにいった球を打たれた」。代は変わっても、甲子園を制した打力は引き継がれている。「ストレートをしっかり投げ込む」と、気持ちを入れ直した。最速の145キロとまではいかなくても、4回以降は本塁は踏ませなかった。相馬幸樹監督(38)は「デキは良くなかったけど、3失点は評価したい」とたたえた。

 同姓の日本ハム大谷ばりに二刀流をこなす。4番打者として、千葉県大会では準決勝から2試合連続で本塁打を放った。野手と一緒に打撃練習をこなし、ノックの時に投球練習など、独自の道を歩む。この日は3打数無安打1四球ながら、投手としてその分を十分に補った。

 2年連続で準々決勝に進んだ。昨年からエースの大谷には雪辱の舞台だ。「去年はコールド負けで先輩たちを勝たせられなかった。明日もしっかり投げ込めたらいい」。千葉県大会で6試合4完投の右腕は、初のセンバツ当確のためにフル回転を誓った。【石原正二郎】

 ◆大谷拓海(おおたに・たくみ)2000年(平12)7月13日生まれ、千葉県印西市出身。小2から野球を始め、中学時代は船橋シニアに所属。「プロに行きたくて」中央学院へ進学。1年春から外野手で出場、同秋から投手。178センチ、74キロ。右投げ左打ち。家族は両親と妹。血液型は「RHマイナスの」A。