中央学院(千葉2位)が6-5で明秀学園日立(茨城1位)を破り、初優勝を決めた。1点を追う5回に4点を奪い逆転すると、その裏から4番大谷拓海投手(2年)が右翼からマウンドへ。前日27日の準決勝で死球を受けた右腕の痛みに負けず5回7安打3失点。2点リードで迎えた9回無死満塁も、1失点でしのぎ逃げ切った。同校は明治神宮大会(11月10日開幕)に出場する。

 大ピンチで大谷が燃えた。9回に1点差に迫られ、なおも無死満塁。「自分のストレートはバントを決められないので」という自信の直球で3バント失敗に仕留めると、続く2者も打ち取った。関東大会初制覇。千葉準優勝から巻き返しての喜びを仲間と分かち合った。

 「みんなでここまで勝ってきたのに、自分のせいで負けられない」。日替わりヒーローが支えてくれた。この日は1点を追う5回に、2番田中大暉外野手(2年)が逆転の2点適時三塁打、3番長沼航内野手(1年)が左越え2ランを放った。無安打だった4番大谷は感謝しきりだった。

 出場が確実となった来春のセンバツを前に、明治神宮大会で初の全国大会に挑む。抱負を聞かれた大谷は「いい打者を抑えて、いいところは自分に生かしたい」と言った。仲間への信頼は増しても「エースで4番」の看板は簡単にはおろさない。