春センバツ出場の慶応が昨夏4強の日大高を破り、3回戦に進出した。

 初回に2番大川裕也外野手(3年)の二塁打で先制したが、その後はチャンスにあと1本が出ず、日大高の守備にも阻まれ、無得点が続いた。

 6回表に1-1の同点に追いつかれたが、相手に行きかけた流れを引き戻したのが、7回表無死一塁でのバント処理だった。三塁手の下山悠介主将(3年)が投球と同時にダッシュ。捕球して素早く二塁へ送球し、併殺を完成させた。下山は「普段からよくチャージの練習をしていたので自信がありました」と語った。

 自分で流れを引き寄せた下山は、7回裏に2点を勝ち越した後の1死一塁から右越え本塁打を放ち、試合を決めた。「インコースのストレート。少し詰まっていたけど、強振したので入ると思った」。センバツは4番で、初戦逆転負け。春以降は1番、3番を打つことが多くなった。「4番の時はホームランの意識しかなかった。今は打席の中で自分のスイングを心がけるようにしています」。主将の攻守にわたる活躍で、春夏連続甲子園に向けて好スタートを切った。