今回のセンバツには出場していない明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督(63)の名采配? が19日、明らかにされた。

同日に甲子園練習を行った松山聖陵(愛媛)の中本恭平監督(30)は馬淵監督のおい。前日18日に相談ごとがあって電話すると「ところで甲子園練習はいつだ。背番号つけて行けよ」と唐突に念押しされた。実は中本監督は背番号なしでもOKだと思っていたそう。「大きな相談役です。指導者であそこまで行った人が身近にいてくれてよかった」と苦笑いした。

昨年から松山聖陵のコーチになり、今年2月に不祥事で急きょ監督に昇格した。甲子園出場30度の叔父には小さい頃から強く影響を受け、自身も明徳義塾でプレーした。「どんなことでも、やるなら勝たないと。高校野球も勝負ごとなので。負けず嫌いは多少、受け継いでいると思います」と自己分析した。

この日の甲子園練習はあいにく室内になったが、割り当て30分の間に、メンバー外も含めて32人の部員全員に打撃練習をさせた。「選手にとっては夢の場所。室内ではありましたが、ほかの球場とは違って特別です。なかなか経験できないので」と親心を見せた。

個人的にも、監督として訪れる聖地は別もの。松山聖陵の甲子園初勝利がかかる。「楽しみだけど、楽しめないでしょう」。そう言う青年監督の表情には、どこか余裕も感じさせた。