明徳義塾の馬淵史郎監督(63)が29日、日刊スポーツの取材に応じ、サイン伝達問題に関して、持論を展開した。

28日の星稜-習志野戦はテレビをつけた時に、ちょうど抗議の場面だったという。「うちはするな、と言っているが、やったところで逆に利用されるよ。そうなれば手も足も出なくなるだろう。うちは盗まれないように、複雑なサインにしている。やってくるもんだと思って、対策している」。

サイン盗みをしているか、確証を得るのは難しい。馬淵監督も疑念を抱くことはあるそうだ。「紛らわしいことをするなと言っても、無意識だったり、クセでどこかを触る選手は結構いる。それをベンチで見ていて、疑心暗鬼になる」。練習試合の後に「サイン盗み、やっているやろ?」と相手校の監督に聞いたことがあるという。「やってませんよ」という返事だった。

ルールの厳罰化などの声が上がっているが、「どうやろなあ…」としばらく考え込んだ。「審判がサイン盗みと判断するのは、難しいんじゃないか。ランナーに腕組みしろ、というわけにもいかんし。ルールで縛ると、野球じゃなくなるかもしれない。難しいな」とため息まじりに話した。