東邦(愛知)の石川昂弥主将(3年)が広陵(広島)との強豪対決で投・打・走にフル回転し、チームをベスト8に導いた。1回に二盗を決めて先制のホームを踏み、3回には高校通算43号のソロ本塁打。投げては広陵打線を6回4安打無失点に封じた。

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エースで主将の東邦・石川が本塁打を放った。センバツでエース兼主将の1発は戦後9人目(12本目)。勝利投手になったのは90年高木浩之(享栄=現西武2軍コーチ)以来だ。高木は当時168センチ、62キロと小柄ながら、1試合2本塁打を含む大会3発を量産。小学1年から硬球を握っていたという野球センスで2番を打っていた。古くは58年に王貞治(早実)が大会31年ぶりの2試合連続本塁打をマークしている。

エースで主将はなかなか優勝できない。優勝は春夏を通じて80年愛甲猛(横浜)が最後になる。春に限れば68年吉沢敏雄(大宮工)以来出ておらず、石川がジンクス破りに挑む。【織田健途】