元PL学園監督で、ともに歴代2位の甲子園春夏通算58勝、同6度の優勝を誇る中村順司氏が2日のセンバツ準決勝の展望を語った。

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平成最後のセンバツ4強に、平成最初のセンバツ王者・東邦が入った。深い因縁を感じる。投打の二刀流で注目されるエース石川君を軸に、攻守ともにチーム力は申し分ない。平成のセンバツは東邦で始まり、東邦で終わる…。そんな予想も頭に浮かんだ中、強敵が勝ち上がってきた。準決勝を戦う明石商だ。

2回戦まで各校の戦いぶりを見て、打者の軸がぶれない智弁和歌山の打撃に目がとまった。頭一つ抜けた打力で、決勝に進んだ昨年同様の快進撃を予想していた。その智弁和歌山に明石商が競り勝った。史上初の先頭打者弾とサヨナラ弾を放った来田(きた)君は、チームの勢いを体現している。この2年生を石川君がどう抑えるか。準決勝最大の見どころだと思う。

習志野と明豊も、ともに高い戦力を備える。習志野はエース飯塚君が踏ん張り、明豊は速球派投手を複数そろえる。ただ横浜(神奈川)を0-4から逆転し、明治神宮大会王者の札幌大谷(北海道)、近畿王者の龍谷大平安(京都)を倒した明豊に、底力を感じる。準決勝は両カードともに、目の離せない好試合になる。(PL学園元監督、名古屋商大前総監督)