佐沼は延長12回、4-2で松島との同地区対決を制し、8強進出で夏のシード権を獲得した。延長突入の10回から3番手で救援した下手投げエース後藤俊彦(3年)が投打で活躍。12回表に決勝打を放ち、3回を2安打無失点に抑えて逃げ切った。

温存予定だったエースが、スクランブル出場でガッツポーズを連発した。12回表2死満塁、8番打者として左翼線に2点勝ち越し打を放ち、その裏の攻撃を抑えて雄たけびを上げた。昨秋、地区準々決勝で完封負けした相手に雪辱した後藤は「相手投手(エース)と対戦するのが楽しくてノリノリでした」と2安打2打点を振り返った。

身長163センチ。内野手だったが1年冬に右あごを骨折して手術し、投手に転向。投げ方も小柄な身長を生かした下手投げに変えた。変化球はスライダーとカーブだけだが、打ち気をそらしてストライクも奪えるスローカーブを武器にする。投げ方も時折、横投げに変化。「自然に変わってしまう」と屈託がない。

打線も計15安打を放った。今日23日は春3連覇を狙う東北と戦う。後藤は「最少失点に抑えて打ち勝ちたい」と金星獲得に闘志を見せた。【佐々木雄高】