第101回全国高校野球静岡大会(7月6日開幕)の組み合わせ抽選会が今日22日、静岡市清水区の清水マリナートで行われる。今大会では、浜松湖北高佐久間分校と遠江総合が、大会史上初の連合チーム「佐久間・遠江総合」として夏に挑む。過疎化が進む地元地域の期待を背負うが、明るくのびのびとした野球で勝利を目指す。

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いくつもの山に囲まれた佐久間分校グラウンドで、佐久間7人、遠江総合4人の計11選手が汗を流していた。選手たちは真剣な表情で練習に取り組み、チームに一体感があった。連合チーム主将の中嶋顕也内野手(佐久間3年)は「1年生も入って、コミュニケーションの面で大変なところもありましたが、普段一緒にやれない分、プレー中の声掛けなどを大事にしている」と話した。

昨秋と今春は、磐田北を含めた3校連合で大会に臨んでいた。4月に部員が9人以上となった磐田北が抜け2校に。中嶋は「少しの不安はあったが、秋から勝ちを目指して一緒にやってきたので、2校だけになっても心配はなかった」と振り返った。先月下旬の豊橋西(愛知)との練習試合では、延長タイブレークで勝利。接戦で勝ちきる力強さもついてきた。

大会では、昨秋から連合チームを指導してきた佐久間の山口遼太監督(30)が指揮。今年4月に就任した遠江総合の稲垣博監督(47)は、ユニホームを着てベンチ入りできるため、副部長として同行する。規定により校旗、校歌はどちらか1校のものを使うが、今回は佐久間を選択。選手数の多さや監督の所属などの事情で総合的に判断した。遠江総合主将の堀井克隆投手(3年)は「これから佐久間の校歌を覚えます」と笑った。

地元地域の応援に支えられながら、野球ができる喜びを胸にプレーする。堀井は「地元(森町)を盛り上げ、学校の名前が広く知られるように良い投球をして勝ちたい」と力を込める。中嶋は「地元に元気を与えるためにも勝ちたい。勝てば佐久間の校歌を歌えるが、球場外で遠江総合の校歌も大声で歌いたい」と声を弾ませた。部員不足に悩むチームの希望となるためにも、全力を注ぐつもりだ。【河合萌彦】

<浜松湖北高佐久間分校1958年創部、遠江総合2009年創部>

大会史上初の連合チームとして夏の大会に臨む。今春までは磐田北を含めた3校連合だったが、4月以降は2校で仕切り直し。平日はそれぞれで練習を行い、週末に合流して試合を行うが、連係面で選手たちに不安はない。主将を務める中嶋が走攻守でも中心。緊迫した場面でもユーモアあふれる会話で緊張を緩める。積極的な走塁を意識した攻撃のほか、投手を中心とした粘りの守備が持ち味。夏1勝を果たし、新時代に新たな歴史を刻む。