昨年準優勝の島田商は、5-1で沼津東に快勝。エースで4番の小林史弥投手(3年)が、初回に県大会令和初の満塁本塁打を放った。

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島田商の小林が、投打のヒーローになった。先発を任され、8回まで散発3安打1失点の好投。打っては初回の満塁本塁打を含む、チーム全5打点(3安打)の活躍で勝利に導いた。「初回が全てだった」と声を弾ませた。

独り舞台だった。初回無死満塁で打席に立つと、直球だけを待った。カウント3-1から、ねらい球を強振。逆風の中で左翼スタンドに運んだ。「変化球がストライクに入っていなかったので、真っすぐを狙っていた」。県大会では令和初、自身2度目の満塁弾。「この試合はいけると確信した」と、チームを勢いづけた。

今春は右ひじを痛め、約1カ月間投げることもできなかったが「痛みはほとんどなくなった」という。初戦は制球重視で、大きく変化する決め球は見せなかった。昨年は決勝で常葉大菊川に敗戦。9回裏満塁で投じたスライダーを打たれ、78年ぶりの甲子園出場を逃した。次戦は強豪掛川西と対戦する。

「今日の出来は60から70点ぐらい。先を見ずに目の前の相手に集中したい」と小林。この日の会場は、昨年の決勝が行われた草薙球場。因縁の地から、聖地を目指すリベンジの夏が始まった。【神谷亮磨】