昨夏4強の柴田が3時間ゲームを逆転で制した。同点の延長12回表2死二塁、途中出場の佐久間亮太内野手(3年)が「意外性の男」の本領発揮だ。外角高め直球を逆らわず右へ。打球が右翼を転々とする間に、自らも本塁に滑り込んだ。勝ち越しのランニング2ランに「自分はレギュラーではないので、出たときにチャンスを逃さないように」と涙声だった。

背番号13で「守備が売り」。終盤の守備固めが多く、この日も8回裏から一塁に就いた。公式戦での本塁打は2本目だが、1本目は春の県大会で142キロ右腕の古川・千坂優斗(3年)から「人生でも初」というサク越え。9回2死まで2点差を追う苦しい展開だったが、初戦(2回戦)で第3シード東北学院を撃破するなど、昨夏、昨秋と連続4強に入った実力は侮れない。佐久間は「そろそろ甲子園にも行きたいので、こんなところで負けてられない」と、初出場に向かって突き進む。【中島正好】