明桜、秋田中央が決勝戦進出を決め今日21日、東北最初の甲子園切符を懸けて覇権を争う。この日は両チームともに捕手が活躍。8年ぶりに決勝の舞台に立つ秋田中央は1年生捕手の野呂田漸が先制打、ダメ押し満塁弾と大暴れ。エース松平涼平(3年)の24回連続無失点を導いている。

冷静な1年生捕手・野呂田が攻守で奮闘、バットでは5打点を挙げた。高校初となる1発は2回に飛び出した。先制打の初回に続き満塁の場面、相手の失投を見逃さず左翼芝生席に運んだ。「本塁打はたまたま。良い打者が後ろにいるので、とにかく塁に出て、つなぐつもりだった」。無欲で打席に立ち、好投する松平を援護した。リード面では能代の強力打線対策で「ボールを散らして的を絞らせないことを意識し、変化球を多めにした」と松平の4回0封に貢献し「投手と捕手両方が熱くなると良くない。自分は常に冷静を心掛けている」と、頼もしい若き司令塔だ。

春の県大会からレギュラーに定着した。中学は変化球を投げれば打ち損じてくれるが、高校はそうもいかず配球に悩んだ。そんな野呂田にとって元女房役の斉藤椋平外野手(3年)が良き相談相手だ。試合前は自分が描く配球を斉藤椋に質問し、アドバイスをもらう。その中で投手の性格も伝授され「性格によってタイムを取るタイミングも違うので、教えてもらえて良かった」。今は外野を守る先輩と二人三脚で投手を引っ張る。【山田愛斗】