第5シード静岡商が、プロ注目右腕・栗田和斗投手(3年)を擁する知徳を4-1で退けた。先発の2年生エース左腕・高田■登(たくと)投手が、9回を投げ、3安打1失点10奪三振の好投。今春県大会2回戦の御殿場西戦以来、公式戦2度目の完投を果たした。3回戦16試合は23日、県内8球場で行われる。

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静岡商の高田は、知徳の最後の打者・栗田を投ゴロに打ち取ると、口を大きく開けた笑顔で充実した表情を浮かべた。9回149球と球数は多かったが、3回以降、相手打線を無安打に抑える圧巻の投球内容だった。「今日はまっすぐが走っていて、調子が良かった。次に向け体力を温存するような投球を目指したができなかったので、それが今後の課題」と振り返った。

初回、制球にてこずり、先制を許した。だが、2番打者への投球で自己最速の146キロを記録。手応えを感じる立ち上がりとなった。3回以降に許した走者は、四死球と失策による4人のみ。「走者を出した場面でも慌てずに投げられた」と、知徳に付けいる隙を与えなかった。

春に昨秋の県王者を相手に初完投。チームを7年ぶりのシード権獲得に導き、一気に名門のエースへと成長した。その後も夏に向けた筋持久力アップを目的に、下半身強化のトレーニングメニューを増やした。体力面の向上につながった結果、この日の試合終盤にも140キロ台の球速を維持。球威も衰えず、安定感ある投球を見せた。

プロ注目投手に投げ勝ち、大きな自信を得た。「栗田さんは、県内でトップの投手。そんな人に勝てたことで自分の成長を実感できました」。名門のエースナンバーを背負い、重圧も感じているというが「OBの方々も優しく声をかけてくれて、応援もしてくれる。期待に応えたいです」と話した。エースの活躍で難敵を撃破。13年ぶりの甲子園に向け、チームの視界は良好だ。【河合萌彦】

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