夏の甲子園34回出場を誇る龍谷大平安(京都)の原田英彦監督(60)が1日、3年生のための「独自試合」を組んでいることを明かした。この日、京都市内の同校で野球部員全員と活動停止後初めて顔を合わせた。部員100人を前に20分熱弁。新型コロナウイルスの現状などを伝え「諦めないと次には進めない。この経験は将来、非常に役に立つ」と思いを伝えた。

「甲子園は私の目標。(部員を)一人前に人間形成し、自立して卒業できることが私の目的」と話し、3年生33人のために強豪との練習試合を準備。6月下旬には昨秋神宮王者の中京大中京を迎えてのダブルヘッダー。今秋ドラフト上位候補の高橋宏斗投手(3年)らを相手に戦う。「真剣勝負という機会をつくってやりたかった。1、2年生抜きでやりたい。秋、冬に頑張った選手にチャンスを与えたい」。感染防止にも配慮し、保護者も見学できるように準備している。

5月中旬に、遠くは愛媛まで自ら運転し、3年生全員の実家を電撃家庭訪問するなど、気にかけてきた。京都府高野連が7月に独自大会をすることも発表され、最後の公式戦もある。「ありがたい。この大会でかっこいい自分を見せてほしい」と話した。高校卒業後は野球を辞める山崎憂翔主将(3年)も「今まで指導していただいたことを見せられたら」と、最後の夏へやる気を見せる。前日5月31日に寮生は戻ってきたが、全体練習は1週間後の8日から再開する予定。準備期間は短いが、個人練習の成果で、完全燃焼する。【石橋隆雄】