愛知県の独自大会が開幕し、昨年センバツ覇者の東邦は東海との初戦で11-0で5回コールド勝ちした。4月から就任した山田祐輔監督が公式戦初勝利。「忘れられない勝利になる」。選手たちからウイニングボールをプレゼントされ、監督初勝利の喜びをかみしめた。

初回から四球で出塁した1番打者が2盗塁するなど足で相手のミスを誘い無安打で2点を先制。3回にはプロ注目の吉納翼外野手(3年)の左越え2点適時二塁打などで3点を追加。4回には打者11人で6点を奪った。4回までに8安打11得点。7盗塁を決める攻めの采配だった。

08年夏に東邦の主将として甲子園に出場。立教大卒業後は野球を離れ一般企業に勤めていたが、前監督の森田泰弘総監督(61)に誘われ、16年にコーチとして復帰。保健体育の教員免許も取得し、18年からは教師となった。スタンドから見守った森田総監督には試合前に「とにかく頑張れ」と笑顔で激励された。山田監督は試合後「しっかり隙を突く。やるべきことをやれた。甲子園がないので、愛知の強豪をとにかく倒す。優勝すること」と喜びながらも、強豪の監督らしくすぐに前を向いた。若さあふれる新監督が、東邦の新しい歴史をつくる。【石橋隆雄】

◆山田祐輔(やまだ・ゆうすけ)1990年(平2)7月16日、愛知県生まれ。小2時に尾張東リトルで野球を始める。瀬戸幡山中時代は尾張東シニアで4番。東邦では1年秋から外野手としてベンチ入り。2年春から捕手。3年夏に甲子園出場。初戦の北海(南北海道)戦で、史上3人目、捕手初の初回先頭打者初球本塁弾を放っている。立大から一般企業へ就職。16年から東邦のコーチ、17年から副部長。20年4月から監督就任。保健体育の教師。右投げ右打ち。