<プロ志望高校生合同練習会>◇6日◇東京ドーム

「プロ志望高校生合同練習会」が6日、全日程を終えた。新型コロナウイルス感染拡大で公式戦が少なかった高校3年生のアピールの場として、NPBと日本高野連が初の共催。先月末の甲子園に続き、5、6日は東京ドームで行われ、東日本の41選手が参加した。最終日はスカウト80人(NPB75人、アマチュア5人)の前で、カウント1-1からのシート打撃を実施。上田西(長野)・高寺望夢内野手が5安打と気を吐いた。

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高寺のバットが“打ち出の小づち”と化した。第1打席、左投手の内寄り真っすぐ131キロをさばき、左前にライナーで運んだ。それを皮切りに、中前打、左越え二塁打、捕手内野安打、中前打と計5安打を重ねた。2四球も選び、凡退は左邪飛の1打席のみ。アピールできた? という問いかけに「アピールできたかは分かりませんが、力を出し切ることはできました」と照れながら答えた。

3拍子そろう遊撃手だ。50メートル走6秒0に遠投110メートルの身体能力。バットコントロールにたけ、高校通算31本塁打とパンチ力も備える。守りは安定。シート打撃では、三遊間の深いところから一塁送球で内野安打にさせなかった。

今夏代替大会は準決勝で敗れたが、そこから木製バットに切り替えた。「プロになりたい。走攻守全て高いレベルでアピールしたい」と強い決意で臨んだ。新幹線で上京し、テレビでしか見たことがなかった東京ドームで躍動した。

前日の初日を終えると「シート打撃は(初対戦の投手への)対応力が問われます。直球には自信があります」と話していた。言葉どおり、5安打のうち3本は直球を捉えた。逆方向への二塁打も直球だった。濃密な2日間を終えたが、ドラフトまでは、まだ50日以上ある。「これからも練習を続けて自分を磨き続けたいと思います」。運命の日まで、もっともっとレベルアップする。【古川真弥】

▽楽天後関スカウト部長(高寺に)「打撃はいい。合わせるのがうまい。引っ張る打球も見たい」

▽DeNA欠端スカウト(高寺に)「バットコントロールがいい。(左越えは)よく、あそこまで飛ばした。足もある」