ノースアジア大明桜の“石田ブラザーズ”が投打で光った。秋田中央を7-0の7回コールドで下し、地区大会優勝に王手をかけた。

最速141キロを誇る兄の石田一斗(いっと)内野手兼投手(3年)が7回2安打無失点。それに呼応するように弟の恋(れん)内野手(2年)はコールド勝ちを決める適時打を含む2安打1打点とバットで魅せた。由利は由利工を10-4で破った。

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明桜の背番号「6」が堂々のマウンドさばきで無失点に抑えた。石田一は定位置の遊撃守備に1度もつくことなく、右手を振り続けた。要した球数は85球、130キロ台後半の直球と生命線のスライダーを軸に打たせて取り、6回まで散発1安打。1-0の4回には2死一、三塁と一打逆転のピンチを招いたが、落ち着いて切り抜けると、同裏に2点の追加点を呼び込んだ。

地区大会初戦(3日)の秋田西戦では2番手で登板し、4回3安打1失点9奪三振の力投。しかし、制球が定まらず、スライダーがショートバウンドするなど納得のいく投球には程遠かった。この日は「ストライクゾーンで勝負し、打たせて取ることを意識しました」。7回を無失点でまとめ、「チームが勝てるようなピッチングを心がけてマウンドに立ったので、抑えられて良かった」と胸をなで下ろした。

明桜に投手で入学も、主に三塁でプレーしてきた。今年は遊撃に転向。さらには最速153キロ右腕・風間球打(きゅうた、3年)に次ぐ2番手として今春から再び投手もこなす。「球打のように150キロを出せないが、変化球を使って緩急で抑えるようにしている。タイプは違うけどライバル」。二塁手の石田恋からも刺激を受け、「自分の守備は雑だけど、弟は丁寧で上手なので、いいところを吸収しています」。遊撃と投手、2つの大役を務める石田一が、地区大会決勝、県大会でも輝きを放つ。【山田愛斗】

○…今秋ドラフト候補の風間球打は打者で大物ぶりを示した。前日6日に完封し、この日は「5番右翼」で先発。登板機会はなかったが、2安打2打点1四球と主軸の役割を全う。4回は丁寧に中前へ運び、5回はパワフルに右中間へ2点適時二塁打。6-0の7回1死一、三塁、あと1点でコールドの場面では申告敬遠だった。輿石重弘監督(57)は「カウントが若いうちは豪快に振るが、アプローチのスイングもできるし、しっかりやってくれた」と評価。チームは初の2ケタ安打で、「打線もようやく力を発揮できた」と語った。