名将に3元号白星を贈る。昨秋の高校野球北海道大会で初優勝したクラークが8日、深川市内で新年初のチーム練習を行った。同市内の納内神社で必勝祈願をしてスタートし、午前午後と計5時間、汗を流した。

第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)出場は、28日の選考委員会で決まる。主将の白取太郎左翼手(2年)は「全国でも通用するチームになるため、しっかり準備したい」と意気込んだ。

センバツ出場が決まれば、佐々木啓司監督(65)は昭和、平成、令和の甲子園で指揮した最初の監督になる。これまで達成した監督はおらず、甲子園勝利数歴代4位54勝の明徳義塾(高知)馬淵史郎監督(66)も90年(平2)就任。今春、可能性があるのは聖隷クリストファー(静岡)上村敏正監督(64)と2人だけで、白取は「選ばれたら全員で勝って、監督に恩返しをしたい」と誓った。

そのためには意識改革が不可欠だ。佐々木監督は「(日本ハムの)BIGBOSS新庄監督も言っているように練習の取り組みや生活面の意識付けが大事。そういうことが野球に出る」と言う。白取は「休み明けで掃除などに対する意識が薄れていた。チーム内の甘えを、一掃させたい」と気を引き締めた。

白取は昨年末に実家のある恵庭の知人から新グラブを贈られ「あらためて期待の大きさを感じた。そういう人たちに結果で恩返しできたら」。もう1度、かぶとの緒を締め、新庄イズムも取り込み、聖地1勝を引き寄せる。【永野高輔】

◆3元号で甲子園出場の監督 令和の3大会(19年夏、21年春夏)では、昭和から3元号出場の監督は、まだ出ていない。今春センバツで佐々木監督と昨秋東海大会準優勝の聖隷クリストファー・上村監督に可能性がある。佐々木監督は駒大岩見沢時代の83年(昭58)春8強、93年(平5)春4強。上村監督は浜松商を指揮した86年(昭61)春に初勝利、88年(昭63)夏4強、90年(平2)春夏連続で初戦突破。佐々木監督と同様に、22年センバツ出場で1勝なら3元号勝利を果たす。