京都国際に代わって出場した近江(滋賀)が、タイブレークの末、長崎日大を破り、4年ぶりのセンバツ勝利を挙げた。これで滋賀県勢はセンバツ20勝に到達した。

2点を追う9回表、1点を返したが2死まで追い込まれた。それでも8番大橋大翔(3年)の適時打で2-2の同点に追いついた。

延長戦に入ったが12回まで両校無得点。大会規定により13回からタイブレーク(無死一、二塁から攻撃)に入った。

近江は無死一、二塁から4番山田陽翔投手(3年)の左前適時打で3-2と勝ち越し。さらに犠打に敵失(悪送球)が絡み4点目。さらに連続暴投で2点を加え6-2とした。その裏、長崎日大は無得点に終わり試合終了。

プロ注目のエース右腕・山田陽翔投手(3年)が13回、160球超を投げ抜いた。最速145キロをマーク。6回に連打で2点を失ったが7回以降は無安打に抑えた。昨夏の甲子園で4強入りに貢献。秋季大会は右肘痛のため登板できなかったが、夏の甲子園以来の公式戦登板で復活した姿を見せた。

近江は急きょ出場が決まった。京都国際が開幕前日の17日に新型コロナの集団感染により出場辞退。近畿地区の補欠1位校だった近江の代替出場が決まった。このため宿泊先のホテルも手配できず、この日の午前6時半に学校のある彦根市を出発。試合後に再び、彦根市に戻る旅程になっている。吹奏楽部も53人の部員がアルプス席へ。演奏でプレーをもり立てた。

長崎日大は6回に2点を先制も逃げ切れず。タイブレークに入った13回は守備も乱れ、93年以来29年ぶりのセンバツ勝利を逃した。

◆代替出場校の勝利 センバツの代替出場校で初戦突破したのは35年中京商、52年長崎商、92年育英に続き30年ぶり4校目。育英は大村直之(元オリックス)が1番を打ち、森山恵二投手が初戦から駒大岩見沢を8-0、広陵を4-0と連続完封して8強入りした。育英は神戸弘陵の辞退により、2月6日に出場が決まった。