「日本一」を掲げた春が幕を閉じた。4年ぶり6度目出場の聖光学院(福島)は、近江(滋賀)に2-7で完敗。16年夏以来の「甲子園8強」を逃した。先発のエース右腕・佐山未来(3年)が、8回を13安打7失点。147球の熱投も、2回に許した5失点が重くのしかかった。悔しい結果を糧に、王者奪還がかかる最後の夏につなげる。

春の日本一への挑戦は、道半ばで散った。エース佐山が8回を投げ13安打7失点。打線も近江の右腕、山田陽翔(3年)に5安打2得点に封じられた。初回に1点を先制。4点ビハインドの3回に1点を返したが、4回以降は無得点。15個の飛球アウトを積み重ね、攻略の糸口をつかめなかった。斎藤智也監督(58)は「右打者と左打者で配球上の特徴が出ていましたので、浮いた球を『どんどん打っていけ』と。あとは結果的にヒットになるかアウトになるか。捉えきれていなかったことが敗因になりましたが、打者陣はよく対応してくれたなと思います」と振り返った。

1球が明暗を分けた。1点リードで迎えた2回。先頭打者に対し佐山がフルカウントから投じた6球目。左打者の内角膝元へ決まったかに見えた直球がボールの判定。わずかにコースを外れ、四球で出塁を許した。次打者は空振り三振に仕留めたが、そこから死球を含む長短4連打と犠飛で5点を献上。それが最後まで重く響いた。斎藤監督は「丁寧過ぎたかな。もう少しストライクゾーンで抑える大胆さも必要なのかなと思いますけど、丁寧によく投げてくれた」。この試合の5四死球はすべて勝負にいった結果。エースの強気な投球をねぎらった。

修正能力の高さを示した。3回以降は130キロ後半の直球に90キロ台のカーブを織り交ぜた。緩急を駆使して近江打線を翻弄(ほんろう)。6、8回に1点ずつ追加されたが、7回には2死満塁のピンチを切り抜け、大崩れしなかった。佐山は「2回はすごく慎重になっていた。3回からは打たせて取ることができた」と反省の中に手応えも感じていた。

昨夏は15年ぶりに県大会敗退。雪辱を期す夏に照準を切り替える。斎藤監督は「(センバツに)32校出場して夏の(甲子園へ)返り咲きは毎年10校ほど。7割のチームがセンバツに行って夏は勝てなくなる。夏もただ単に甲子園に行ければいいのではなくて、今回の敗戦を踏まえて本当の意味で強くなって『甲子園でもっと勝ちたい』と貪欲さを持ちながら精進していきたい」と夏を見据えた。

春は16強に終わった。夏の甲子園返り咲き、その先にある日本一を目指し、足元を見つめながら歩みを進める。【佐藤究】

<4番安田淳平、先制犠飛>

4番に座った安田淳平外野手(3年)が、存在感を示した。初回1死一、三塁の場面。初球のフォークを流し打ち。左犠飛で先制点をもぎ取った。6回2死では左前打で出塁。盗塁も成功させ、好機を演出した。安田は「積極的に振りにいくことができた」と納得の表情。斎藤監督は「一冬にかけて一番伸びてきた選手。逆方向に犠牲フライとヒットも打って、盗塁も決める。良い仕事をしたと思います」と目を細めた。