夏の高校野球兵庫大会(6月25日開幕、7月27日決勝)の組み合わせ抽選会が14日、明石市内で行われ、今春県大会優勝の報徳学園は丸岡優太主将(3年)が立候補で選手宣誓を引き当てた。

5月は春季近畿大会も投打の歯車がかみ合って4強に躍進。春夏36度甲子園出場で同3回優勝の名門校から「日本一宣言」も出た。近畿地区では一番乗りの組み合わせ決定だ。また、大会最速の開幕で選手の体調管理にも配慮した。

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4年ぶりの夏の甲子園に向けて、春の県王者が気勢を上げた。会場で誰よりも気持ちを高ぶらせたのは報徳学園の丸岡主将だ。36校のキャプテンが立候補した選手宣誓の大役を引き寄せた。

「最後の夏。人生に1回しかない。目立ちたい。一生残るので、立候補させていただきました。気持ちを入れるひと言を言いたい」

名門校が元気だ。春季兵庫県大会は宿敵の東洋大姫路を下して優勝。エース榊原七斗投手(3年)やプロ注目の堀柊那捕手(2年)を擁し、強力打線は機動力を駆使する。投手も安定し、春近畿を4強。準決勝は智弁和歌山に4-5で惜敗した。丸岡は胸を張った。

「自分たちの野球が通用する。自信になった。収穫が大きな大会でした。(目標は)夏は日本一です」

初戦は7月11日、姫路商と明石高専の勝者と戦う。「春を制して他の高校が自分たちを倒しにくる。そこに負けないように。目の前の1戦をしっかり勝ちきりたい」と気合十分だ。

近年は甲子園から遠かったが強豪ぞろいの戦国兵庫の優勝候補筆頭だ。丸岡は「神戸国際大付さんに去年負けた7月27日は(今年の)決勝戦。先輩の思いを含めて勝ちきりたい」と言う。昨夏、屈辱を味わった日を胸に刻む。全国に覇を唱える夏にする。【酒井俊作】

○…夏の兵庫大会は史上最速の6・25開幕になる。兵庫県高野連の高橋滋理事長は「日程にゆとりを持たせたい。熱中症は3試合目にリスクがある。試合開始が遅れがち。午後3、4時はかなり暑い。リスクを減らすことで選手の健康安全とチームの負担軽減です」と説明した。6月開幕は早いとの意見も出たが、昨年12月、加盟校に6月最終土曜日開幕の方針を伝えていた。例年は7月に開幕し、昨年は同3日で組まれた。「連戦をなくす。3試合日を極力なくす」と続けた。6月開幕は2例目だという。継続試合も導入する。柔軟なスタンスが際立った。