<高校野球西東京大会:小平西10-3国際基督教大高>◇14日◇2回戦◇スリーボンドベースボールパーク上柚木
国際基督教大高は、最後まですがすがしく、自分たちのスタイルを貫いた。14日の2回戦で小平西に3-10で敗れたが、8点を追う4回無死、3番の藤井恒陽外野手(1年)が右打席に立つと、ベンチからにぎやかな声が聞こえた。
「バッター、アルテューベだよ!」
エース右腕の花田大樹投手(3年)は、試合後に明かした。「彼は体験入部の頃から(アストロズのアルテューベに)打ち方が似ていて、打球も強かったので。僕たちが盛り上げてあげようと思いました」。下級生を盛り上げようと、先輩たちが明るく包み込んだのだ。
「明るく、楽しく」がチームのモットー。
しかし、その方向性は初めから定まっていたわけではなかった。信田実監督(49)は、花田と主将の笹田太一捕手(3年)を見ながら、懐かしむように言った。「スタートは準備体操部だったからね」。
チームには海外の中学出身選手が多い。スタメン野手では、一塁の小永惺聡(せす)内野手(2年)がシンガポール、三塁の菅原悠揮内野手(2年)がマレーシア、遊撃の田嶋景内野手(1年)が米国で、それぞれ中学時代を過ごした。
日本で野球を続けてきた笹田は、野球観の違いに戸惑った。「学校の雰囲気としても、のんびりしている子が多いので、もっとテキパキ動いてほしいと思うことはありました」。予定通りの時刻に、練習が始まらない。すぐにしゃべり始めてしまう。野球に対する意識にズレがあり、課題は尽きなかった。
そこでバッテリーの2人を中心に、明るい雰囲気は尊重しつつも、時には緊張感のある練習をしようと声をかけてきた。初心者ながら入部してくれた選手たちへは、自らの練習時間を削って、野球のノウハウを教えた。
すぐに意識が変わったわけではなかったが、夏の大会へ向け、チームは少しずつ束になった。
迎えた初戦。結果は7回コールド負けだった。それでも最後まで、明るく、楽しい野球は貫いた。
試合後、笹田はチームの成長に思いをはせて、実感を込めながら言った。
「みんなうまくなったなぁって思いました。自分が打ったことはもちろんうれしいですが、他の選手がうまくなっていくのを支えられるのも、すごく楽しいことだと感じました」
134球の粘投を見せた花田は、疲労を感じさせない表情で、こんな言葉を残した。
「(海外の中学出身選手たちは)ミスをしても相手を責めることはなくて、寛容というか。相手を許せる心は、勉強になったなと思います」
自分が教えたこともあれば、仲間に教えられたこともあった。
明るく、楽しく。
国際基督教大高ナインは、さわやかに自分たちの高校野球をやり切った。【藤塚大輔】

