世界陸上女子やり投げで銅メダルを獲得した北口榛花(24=JAL)の母校で、北海道内屈指の進学校、旭川東が17年優勝の滝川西を下し、69年以来53年ぶりに決勝進出した。

初回1死満塁で、5番秋山瑠斗捕手(3年)が右前適時打を放ち2点先制すると、3回に1点、4回は連打に犠打を絡め2点。5回には、2番丹代暁二塁手(3年)が先頭で中越え三塁打を放ち、1死三塁から神原京太一塁手(3年)の左犠飛で生還し、6点目を加え、突き放した。

就任3年目の佐藤俊行監督(43)は「試合前に北口さんがメダル獲得したというニュースが入って、共有LINE(ライン)で『追い風だな。先輩も頑張っている。俺たちも頑張ろうな』と伝えた。最後まで声を掛け合いながらやれたのが良かった」と話した。

24日の決勝戦は3年ぶりの優勝を狙う旭川大高と対戦する。同高は旭川中時代も含め過去、決勝で10度敗退。丹代は「自分たちの代で歴史を塗り替えたい。頑張ってる姿が北口先輩にも伝われば」と意気込んだ。

◆旭川東 1903年(明36)創立の公立校。上川中、旭川中、旭川と経て50年から現校名に改称。普通科のみで生徒数715人。野球部は創立と同年に創部。夏は10度の決勝敗退があるが、春季北海道大会は70年に初出場初優勝を果たしている。部員数は43人(うちマネジャー6人)。主なOBは元巨人ビクトル・スタルヒン、OGに陸上やり投げの北口榛花。所在地は北海道旭川市6条通11丁目。三条歩校長。

○…北口の父幸平さん(56)はメダル獲得に「びっくりしました。最後よく投げたなと思います」と、夏の高校野球北北海道大会の準決勝が行われている旭川スタルヒン球場で笑顔を見せた。趣味が野球観戦で、メダル獲得をテレビで見届けた後、娘の母校である旭川東の応援のために同球場へ足を運んでいた。53年ぶりに決勝進出した同校にも「楽しみですね。頑張ってほしい」と期待していた。