小諸商(長野)が悲願の甲子園初出場へ、あと2勝とした。同点の9回裏2死一、二塁。打席には、同表無死三塁の大ピンチの、それもカウント2-1の追い詰められた状態で好リリーフした浅沼駿亮投手(2年)が入った。

初球を中前にサヨナラ打として、公立校同士の4強を懸けた激戦に幕を下ろした。浅沼は「来たボールを強く、低い打球を飛ばすことだけ考えていました」と、武骨な感じであまり笑顔を見せずに、まだ緊張感を漂わせながら殊勲の仕事を振り返った。

殊勲打の伏線は、9回表のリリーフにあった。岡谷南がスクイズを仕掛けたが、投前へのゴロ。浅沼がダッシュ良く駆け寄り、落ち着いてグラブトスして三塁走者をアウトにした。この大ピンチを無失点で切り抜け、その裏のサヨナラ劇につなげた。西沢彰泰監督(37)はスクイズを防いだ場面について、「(2番手の)井出は打たせるタイプですが、浅沼は空振りも取れる。球質の違いで浅沼に代えました。冷静に処理してくれました」と狙い通りとなり、ホッとした表情だった。

4強入りは最近8年で3度目だが、決勝進出なら58年ぶり。準決勝では15、16年とも4強の壁ではね返されてきた、実力校の佐久長聖にぶつかる。