下関国際が、優勝候補大本命の大阪桐蔭に逆転勝ちし、初の4強に進出した。

1点を追う9回1死二、三塁。4番賀谷が3球目の直球を振り切り、中前への逆転の2点適時打を決めた。「追い込まれたらバットを短く、スイングも小さくを徹底した。苦しい時を全員で乗り越えてきた。それが試合に出たと思う」と誇らしげに胸を張った。

流れを変えたのが、7回守備でのビッグプレーだった。6回途中から遊撃手から2番手でマウンドに上がっていた仲井が、安打と自身の失策で無死一、二塁を背負った。しかし、次打者のバントが投前への小飛球となると、キャッチした仲井は素早く二塁へ送球。二塁から一塁と転送され、スタートしていた走者はともに戻れず、トリプルプレーでピンチを脱した。

夏の甲子園での三重殺は9年ぶり9度目。仲井は「練習がうまく出せた。流れがこっちに来た」と振り返り、坂原秀尚監督(45)も「流れを変えるプレーになった。三重殺は監督をやっていて初めてです」と興奮を隠さなかった。

山口県勢の4強は05年の宇部商以来、17年ぶり。準決勝は山田擁する近江と対戦する。仲井は「粘り強くいきたい」と、大阪桐蔭を破った勢いで、頂点を見据えた。【実藤健一】

◆三重殺 下関国際が大阪桐蔭戦の7回に記録。13年に愛工大名電が聖光学院戦で記録して以来9度目。準々決勝以上では史上初。三重殺を記録して勝ったのは01年松山商(対智弁学園)以来21年ぶり5度目。