秋の決勝が、同県初の継続試合となった。試合開始前から降っていた雨が、イニングが進むごとに強まった。両チームともに無得点で4回が終了。午後1時50分に審判が中断を指示し、両チームはベンチ、ロッカー内で待機し、再開を待った。だが雨脚は弱まらず、中断開始から30分が過ぎた午後2時20分に継続試合となることが決まった。同試合は11日正午から、紀三井寺で無料で実施される。5回表の近大新宮の攻撃から試合は始まる。近大新宮は先発したエース大槻虎生(こお=2年)を3回終了時で右翼に回し、2番手で岡良将投手(2年)をマウンドに送っていた。「7番・右翼」で先発し、岡と交代した森下来輝(らいき)外野手(2年)が両チーム合わせてただ1人の交代選手で、11日の試合には出場できない。

智弁和歌山の中谷仁監督は「ここまでは大槻君に丁寧に攻められて、なかなかとらえることができなかったところで、中断してしまった」と序盤の無失点を反省。「先制点が大きなウエートを占める。目の前のチャンスを生かしてなんとしてでも点を取る、そのためにチャンスメークしていくというところは、残り5イニングということを考えると難しさは出ると思います」と、初の継続試合に向けて考えを巡らせた。

一方、新宮市に学校がある近大新宮は、8日の準決勝に備えて7日夜から球場のある和歌山市に遠征していた。9日にいったん新宮市に引き揚げ、11日正午の試合開始に備えて同日の朝に再遠征。産屋敷(うぶやしき)秀信監督は「3時間かかりますが、地域的なことでこれは仕方ないです。12時開始なので朝で大丈夫かと。(近畿大会初出場を決めて)いろんな方から『おめでとうございます』と言っていただけたので、頑張りますとお答えしました」と、再度の遠征に備える。

和歌山県高野連は今夏の和歌山大会で継続試合採用を決めていたが、該当試合がなかった。22日開幕の秋季近畿地区大会(紀三井寺)へは、近大新宮は初、智弁和歌山は2年ぶり26回目の出場をすでに決めている。