<高校野球兵庫大会:社5-4明石商〉◇27日◇決勝◇ほっともっとフィールド神戸>

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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サヨナラ負けの瞬間、明石商の右腕エース、横山楓真(ふうま)投手(3年)はマウンドで泣き崩れた。「甲子園に連れて行けなくて申し訳ない…」。頭に浮かんだのは父の眞也さん(42)。明石商の元球児だった父も、甲子園には届かなかった。家では野球が話題の中心。「いつも通り投げれば大丈夫」。この日の朝も、温かい言葉で送り出してくれた“明商の先輩”の悲願も背負い、7回1/3の投球にすべてをかけた。

春にセットからワインドアップにフォームを変え、制球が安定した。今夏からエースナンバーを背負い、「甲子園に導く」と強く決意。5回戦の東播磨戦で完封すると、準決勝の滝川二戦ではプロ注目の坂井陽翔投手(3年)との投手戦を148球の1失点完投で制した。それでも聖地にはあと1歩届かず「期待に応えるのがエースなので物足りなかった」とくちびるをかんだ。将来の目標はプロ野球。悔しさを糧に次のステージに進む。【松野奈音】

【高校野球 各地のスコア・日程】