“日大キラー”だ! おかやま山陽が日大三に13安打7得点で快勝し、初の8強進出を決めた。初戦の日大山形戦で同校初勝利を挙げ、2回戦で大垣日大も撃破。日大の付属校を3連破して当初の目標「甲子園3勝」を達成し、大目標を「決勝進出」に上方修正だ。

初回から好投手の安田に襲いかかった。2番湯浅、3番渡辺の連打で1死二、三塁とし、4番土井が先制犠飛を上げた。「三塁まで走者が進んだので楽に入れた」。勢いに乗った打線はチェンジアップ対策で低めの見逃しを徹底し、早いカウントから積極的に攻め5回でKO。強打の日大三のお株を奪って打ち勝った。

昨秋の岡山王者も今春は県4強止まり。6月、堤尚彦監督(52)が「久しぶりに合宿やるか」とポツリ。コロナ禍もあり、数年ぶりの開催で選手はきょとんとした。2泊3日の自校合宿で、1日あたり内野5000本ノックや深夜までの素振り。1時間半の睡眠を経て実戦形式のダブルヘッダー。過酷な鍛錬だったが達成感と一体感が生まれた。

ジンバブエで代表監督を務めた経歴も持つ堤尚彦監督(52)は、中古グラブを海外へ送るなど野球の普及にも力を入れている。「多くの人に活動を知ってもらうために、甲子園での滞在時間を増やす」と設定した3勝もクリア。「有言実行してくれた」と感謝し「理想以上。ちょっと信じられないですね」と喜んだ。

8強にはもう1校、土浦日大も勝ち進んだ。土井は「次も勝って当たれたら倒したい」と“日大総ナメ”に闘志を燃やす。学校創立100年目。ミラクル山陽が、今夏の甲子園をさらに盛り上げる。【林亮佑】

▽おかやま山陽・西野(甲子園初先発で6回途中4安打2失点の好投)「やっと自分の番がきたなと思いました。後ろに頼もしいピッチャーがいたので、最初から飛ばして全力で投げた。やっとチームの勝利に貢献できたなという気持ちです」