明治神宮大会は15日に開幕する。全国10地区の王者が集う高校の部は、史上初の3連覇を目指す大阪桐蔭(大阪・近畿)と作新学院(栃木・関東)が軸になる。両校は初戦に勝てば準決勝で対戦する。関東第一(東京)青森山田(青森・東北)広陵(広島・中国)が続く。

優勝校の地区は来春センバツで「神宮大会枠」として1枠与えられる。

 

【展望】

 

昨年、初の神宮連覇校となった大阪桐蔭が今年も神宮に戻ってきた。スター選手はいないが投打のバランスは抜群。投手陣は平嶋桂知(2年)ら5投手で近畿大会4試合で4失点。平嶋が本調子に戻れば、頂点への道が見えてくる。

走力のある1、2番からラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(2年)ら中軸につなぐ得点パターン。3番徳丸快晴外野手(2年)の働きがカギ。夏の甲子園を逃したことで実戦を多くこなし、秋の段階でのチーム成熟度は十分だ。

作新学院は混戦の栃木を勝ち抜き、関東大会で一気に花開いた。3試合で27得点の打線は脅威。中軸の小川亜怜外野手(1年)広田瑠稀哉外野手(2年)が絶好調で長短打がどこからでも出る。本格派の小川哲平投手(2年)は粘り強く、ゲームメーク能力が高い。関東大会のように、初戦の北海(北海道)戦から一気に波に乗りたい。

2校に続くのが関東第一か。東京大会の準々決勝以降、強敵を力強く倒した。技巧派の畠中鉄心と速球派の坂井遼(ともに2年)は完投能力があり、連戦で強みを発揮する。長打のある高橋徹平内野手(2年)を軸に大技小技を繰り出す打線は魅力的だ。

青森山田も高い実力を誇る。関浩一郎、桜田朔(ともに2年)の両右腕が試合を作る。桜田は同県のライバル八戸学院光星を2試合とも抑え込んだ。東北大会決勝の対戦では無安打無失点試合を達成した。切り込み隊長の佐藤洸史郎外野手ら打線に4人いる1年生が好調。好投手を打ち崩してきた自信を持ち込みたい。大阪桐蔭や作新学院とは反対の山。星稜(石川・北信越)-広陵の勝者と戦う初戦から注目される。

広陵は今春センバツ4強に貢献した高尾響投手、只石貫太捕手(ともに2年)のバッテリーが絶対的。過密日程のため2番手以降の投手がカギを握る。星稜は道本想投手、能美誠也捕手の1年生バッテリーが奮闘した。佐宗翼投手(2年)も経験豊富。伝統の粘り強い試合運びは健在だ。

高知(高知・四国)は今春の甲子園でも好投した辻井翔大、平悠真(ともに2年)の両右腕が生命線。初戦で当たる豊川(愛知・東海)の好打者モイセエフ・ニキータ外野手(2年)との対戦は見ものになる。

北海は片岡誠亮外野手、谷川凌駕内野手(ともに2年)の1、2番コンビが今夏甲子園で活躍。ほかにも甲子園経験者が多く、作新学院との初戦を乗り越えれば面白い存在になる。

熊本国府(熊本・九州)は唯一の初出場。熊本大会から接戦を制した。九州大会準決勝で夏の甲子園4強の神村学園(鹿児島)に7-1。決勝も明豊(大分)に5-1。目を見張る勝ちっぷりは侮れない。