戦国東都で研さんを積む。住石孝雄内野手(18)は東都大学リーグ2部の専大に進学。指揮官が「野手では一番練習する」と認める練習の虫が、努力を怠らず、1部昇格をつかみ取る。

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けがを乗り越えたからこそ今がある。住石は今年2月の紅白戦で転倒し、右手小指を骨折。「選抜に向けて頑張っていた中だったので正直、落ち込むことが多かった」。指揮官には涙ながらに伝えたという。悔しい出来事だったが、今では「けががあったから、苦手だった守備に重きを置いて練習ができた」と言える。バットを触れない期間は室内練習場でマシンを使ってゴロを捕球。小さいころから父が一緒に練習してくれたこともあり、「継続することが体に染み付いている」と住石。基礎練習をひたすら反復した。指揮官も「50点くらいだったのが、2月から4月くらいにかけて75点ぐらいになった。それはすごいこと」と認める磨き上げた守備で3年夏は全試合に先発。住石は「練習の成果が夏に出て良かった」と笑顔で語った。

他にもけがから変えたものがある。「『自分が一番いいコンディションで臨むためには』と考えて、『こういうときにこういう状態になった』と試しながらやっています」。ほぼ同じ生活ルーティンの中で、ベストコンディションをつくるために試行錯誤。「余計なものを取らないという意識が強いです」。唐揚げの衣も外す徹底ぶりだ。

大学で環境は変わってもベストコンディションは模索し続ける。大学では「2部から1部に昇格できるような選手になる。最終的には東都リーグで優勝して神宮大会に出場したい」と力を込めた。自身をよく知り、こだわり抜いた先に、1部昇格、東都制覇が見えてくる。【濱本神威】

◆住石孝雄(すみいし・たかお)2005年(平17)9月3日生まれ、山形県酒田市出身。3歳から野球に触れ、酒田市立松原小では松原ハーバーというスポーツ少年団に所属。酒田三中では酒田シニアでプレー。仙台育英では2年生の春に公式戦初出場。173センチ76キロ。右投げ左打ち。