“ゴリラスイング”で東京新大学に旋風を巻き起こす。仙台育英の斎藤敏哉(はるや)内野手(18)が、東京新大学野球の東京国際大に進学。昨夏の甲子園で代打で活躍した寺田賢生内野手(17)は、関西学生野球の同大へ進学。将来、野球に関わる仕事に就くために大学で結果を残し、社会人野球入りを目指す。

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打撃に秀でた選手を求めていた東京国際大に決めた。斎藤敏の持ち味は、父敏文さんが“ゴリラスイング”と名付けた、力いっぱいのフルスイング。23年夏の宮城県大会では本塁打2本。準々決勝東北戦では満塁本塁打を放つなど、18打数8安打8打点と自慢のフルスイングは絶好調だった。

だが、それ以降は調子を崩した。周りからの期待に「打たないといけないという気持ちがあった」と焦り、甲子園、かごしま国体では思うような成績を残せなかった。

大学では「ホームランバッターとしてやっていきたい」と意気込む。そのためにはレギュラー奪取はもちろん、調子を崩さずに戦い抜くことも必要だ。高校野球の中では修正しきれなかったが、父敏文さんに日々、小さなズレを指摘してもらい打撃修正に努めている。「チームに足りないものをしっかり自分で磨いて、チームの勝利に貢献できれば。そこを徹底的にやりたい」。1年生から試合に出場し、目標とするプロ野球選手へ-。フルスイングを極め、本塁打の量産態勢に入る。【濱本神威】

○…寺田が同大を志望したのは、東北勢初優勝を果たした22年夏に主将を務めた先輩・佐藤悠斗(1年)の存在が大きかったという。「(佐藤)悠斗さんの入学が決まってから同大を考え始めました」と、先輩の背中を追いかける。「高校野球で積んできたものを前面に出して、長いシーズンの中で安定して結果を出せるようにしていきたい」と、憧れの先輩の下でさらなる成長を誓った。

息の長い野球人生を送る。高校3年間を振り返り「打撃が一番成長した。周りからのアドバイスで引き出しも増えた」と成長を実感しているが今後、プロの世界は目指さないという。昨年10月、チームメート仁田陽翔投手(3年)のドラフト指名漏れを目の当たりにし「自分の中では仁田はすごい存在だったので、(指名漏れで)プロの壁を思い知った」と、レベルの高さを痛感。それでも野球への情熱は消えない。「将来は大好きな野球に関わる仕事に就きたい。大学で結果を残して、社会人野球でプレーしたい」と先を見据えた。【木村有優】

◆斎藤敏哉(さいとう・はるや)2005年(平17)8月28日生まれ。両国小1年時に両国セブンアローズで野球を始め、修徳中では同校の軟式野球部でプレー。仙台育英では1年秋から出場。3年夏の宮城県大会では2本の本塁打を放ち甲子園出場に貢献した。目標とする選手はブライス・ハーパー。181センチ、87キロ。右投げ左打ち。

◆寺田賢生(てらだ・けんしょう)2006年(平18)3月12日生まれ。大阪府堺市出身。百舌鳥小1年時にソフトボールを始め、陵南中時代は泉州阪堺ボーイズに所属。仙台育英では2年秋の県大会で公式戦デビュー。昨夏の甲子園では主に代打として活躍し、準優勝に貢献した。165センチ69キロ。右投げ左打ち。