啓明学園(東京・昭島市)は22日、硬式野球部監督に元日本ハム投手の田中幸雄氏(65)が4月1日付けで就任すると発表した。同校は田中氏について「勝利至上主義ではなく、学校教育活動の一環として部活動をより活性化させたい」という啓明学園の方針に賛同したとした。

田中氏は「指導方針は怒らない、教えない、やらせない。選手の話をしっかり聞きたい。学校の仲間や先生方に応援される野球部を目指したいと思います」と抱負を語った。

啓明学園は現在部員6人。このため今春は連合チームで春季東京大会1次予選に参加。17日の初戦を突破したが20日に行われた2回戦で敗れた。4月からは田中新監督のもと、新入生も加えた単独チームで夏の大会を目指す。

田中氏は千葉県出身。流山高から社会人野球の電電関東を経て1981年ドラフト1位で日本ハム入り。4年目の85年6月9日の近鉄戦でノーヒットノーランを達成した。通算25勝を挙げ91年に現役引退。その後は日本ハムのスカウト、投手コーチ、社会人野球や独立リーグのコーチを務め、米国へのコーチ留学も経験した。2015年から高校野球の指導者に。菊川南稜(静岡)で指揮を執り、18年に郁文館(東東京)の監督に就任。19年夏と21年夏に同校では過去最高成績となる東東京大会16強入りを果たした。

郁文館監督を昨夏限りで退任。4月から西東京に舞台を移して甲子園を目指すことになった。