星稜(石川)が接戦を制し、8強入り一番乗りを決めた。同点の6回2死二塁。「いつでもスタメンで出られるように心の準備をしていた」と今大会初先発に燃えた背番号13中島幹大外野手(3年)が、八戸学院光星・洗平の外角スライダーに食らいつき、打球は左前にポトリ。1回戦の田辺(和歌山)戦の背番号20東汰生外野手(3年)に続き、2桁背番号の選手が決勝打をマークした。

この日は直前の第1試合で日本航空石川が惜しくも初戦敗退。山下智将監督(42)が発した「石川県、負けんぞ」がチームの合言葉となっていた。指揮官は「ベンチでも『石川県、負けんぞ』という言葉がよく出ていた」。中島幹は「航空さんのためにも、勝ってやろうという思いでした。石川県に優勝旗を持っていけるように頑張りたいです」と力を込めた。

父と同じ舞台に立った。父・大悟さん(47)は星稜OBで、社会人野球の伏木海陸運送の監督を務めた経験もある。95年の春夏の甲子園に出場した大悟さんは「アルプスの父母席で見るのは考えられなかった。すごい」と感慨深げ。富山・高岡市内にある自宅で同居しており、今でもバッティングセンターなどで打撃練習に付き合う。中島幹は「小さい頃から教えてもらって、恩返しがまだできてなかった。今日少しはできたかな」と〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)を緩ませた。

星稜にとってセンバツ8強入りは5度目だが、いずれも4強入りを逃している。立ちはだかる壁を乗り越えるべく、総力戦で阿南光に挑む。【古財稜明】

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