今春センバツで4強入りした中央学院が千葉大会の初戦に臨み、成田に勝利した。

長身右腕・蔵並龍之介投手(3年)が投打に躍動した。先発のマウンドに上がると「完投したかった」と、前半は直球中心、中盤は変化球、終盤は緩急をつけ工夫。成田打線を7安打1失点。打っても、2回1死二塁から、先制の左越え適時二塁打を放つなど2安打1打点。春の頂点へ、好スタートを切った。

蔵並には頑張らなければいけない理由があった。センバツではエース番号を背負うも、今大会、その背中の番号は「3」だった。「一塁も守るので、打撃でも期待されていると思うので頑張っていこうかな、と。でも…メンバー発表の時には寂しい思いがありました」。センバツで3試合に先発した臼井夕馬投手(3年)にエース番号を譲り、悔しさをかみしめた。

もう1度、エース番号を取り戻す。強い思いで臨む今大会。身長186センチの長身を生かし、右腕の位置を少し高くし、角度のあるフォームに。「四球が多かったので」と、制球力アップにつなげた。

相馬幸樹監督(44)は「(蔵並は)センバツで1試合しか投げていないので。夏に向けて軸になる投手をどう作っていくのか。そのために、いろいろ試したかった」と、蔵並の奮起を期待。蔵並は「やっぱり…どうしても、もう1度、1番を取り返したいという気持ちがあるので」。いつもおとなしい性格の蔵並の目が輝いた。