仙台育英が主砲の1発などで昨秋王者の聖和学園を圧倒し、東北大会切符をつかんだ。1回に4番の鈴木拓斗外野手(3年)の左越え3点本塁打で先制点を奪い、主導権を握った。5-2で迎えた5回には一挙8点を奪って、13-2で5回コールド勝ち。仙台城南は東北学院榴ケ岡を7-3で破り、東北大会初出場を決めた。決勝、3位決定戦は今日26日に石巻市民球場で行われる。
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仙台育英の4番の一振りが、昨秋王者の出はなをくじき、チームに勢いを呼び込んだ。1回、連続四球で1死一、二塁の好機を得ると、鈴木が左翼席に高校通算18本目となる3ランをたたき込んで、先制点をもたらした。
22日の準々決勝・東陵戦は投手戦の上、勝ち越しに貢献する三塁打を放ったのも救援登板した山口廉王(れお)投手(3年)だった。鈴木は「前の試合では投手に任せきりになってしまったので、この試合では(投手を)少しでも楽にすることができて良かった」と笑顔で振り返った。
2つ上の代は東北勢初の甲子園優勝。1つ上の代も同準優勝と輝かしい功績を収めたが、昨秋は県大会準々決勝で敗退した。「2年連続で甲子園決勝進出を経験させてもらったのに先輩方に申し訳ない」と鈴木。王者の誇りをいったん置いて、「下克上」精神で練習を積み重ねてきた。須江航監督(41)も「この春、優勝して宮城のチャンピオンを奪還できなければ甲子園は夢のまた夢」と選手たちを鼓舞した。
戦いはまだまだこれからだ。大きな敗戦から成長を遂げたチームは、決勝戦を制して夏につなげなければならない。指揮官が「優勝しても甲子園に出場できる確約はないが、それでも絶対に1大会を優勝する気持ちで臨まなければいけない」と手綱を締めれば、鈴木も「この8カ月間やってきたことはどこの高校にも負けないと思うので、それを自信にしたい」。悔しさを乗り越えた仲間と全力を注いで、王座を奪還する。【木村有優】

