<全国高校野球選手権:京都国際2-1関東第一>◇23日◇決勝 

やりきった決勝のマウンドだった。「悔しいですけど、全力を出し切ったので悔いはないです」。最高の夏だった。

立派なエースは中3の時、ちょっとした反抗期があった。当時は感情的になることもあり、チームの監督から「もう練習に来なくていいよ」と言われた。子ども心にムッとして、練習に行くふりをして、近くのショッピングモールで時間をつぶした。練習終わりの時間を見計らって、母に電話し迎えを頼む。そんな日々が2週間ほど続いた。それでも、母一恵さん(43)は突き放すことなく支えてくれた。「野球だけは続けてほしい」。そう言われて、目が覚めた。

準々決勝の東海大相模戦では、151キロをマーク。この日のタイブレークでは「弱い自分が出てしまった」と押し出し四球などで2点を失ったが、高校入学後に掲げた「母を甲子園に」「甲子園で150キロ」という目標を、どちらも実現した。春夏連続で踏んだマウンドは「人生が変わる場所でした」。言葉に表せないほどの高揚感だった。

夢はプロで活躍すること。「本当に目立つ選手ではなかった」日から2年半。駆け上がった高校時代と同じように、これからの人生で、もっとすごい景色を見る。【佐瀬百合子】

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